新NISAで投資を始めた人必見!トランプ関税ショックの乗り越え方
皆さま こんにちは!
50代からの「お金」と「仕事」の総合戦略プランナー
ウェルビーイング・コンサルティング・オフィスの寺田尚平です。
トランプ米大統領による「関税」が世界を揺るがせています。
各国を相手に高い税率の関税を導入したかと思えば、一転して90日間の一時停止を決定したり、スマホなどの電子機器は除外したり、しなかったり・・・とトランプ政権の関税政策は目まぐるしい展開を見せています。
アメリカの関税政策の迷走により、金融市場は乱高下を続けています。
このようななかで、株式や投資信託で資産形成・資産管理を行っている方のなかから、不安の声が上がっています。
特に、2024年から「新NISA」を活用して、株式や投資信託で資産形成・資産管理を始めた人にとっては、最近の金融市場の動きに不安を覚える方も多いと思います。
そのような方に、ぜひご参考にしていただきたい内容のブログです。
ぜひ、ご一読ください。
目次
トランプ関税ショック
日本の株式市場の動きを表す代表的な指数である日経平均株価は、4月14日の終値で33.982円、前週比396円の上昇となりました。(小数点以下は切り捨て、以下同じ)
直近の安値である4月7日の31,136円と比べると幾分回復していますが、最高値をつけた2024年7月11日の42,224円と比較して、約20%の下落となっています。
また、新NISAが開始前の2023年12月末は、33,467円であったことを考えると、2024年以降の株価上昇分が吹っ飛んだ状態になっています。
また、米国株式市場の動きを表す代表的な指数であるS&P500については、4月11日5,363ポイントであり、直近の安値をつけた4月8日の4,982ポイントから回復していますが、2月19日の最高値である6,144ポイントからは、約13%の下落となっています。
2023年末は、4,769ポイントであったことから、S&P500については、2023年末を約12%上回っている状況です。(現地通貨ベース)
ドル円相場については、4月14日現在、142円程度で推移してます。
直近の円の最安値である2024年7月4日の161円からすると、約20円の円高水準で推移しています。
2023年末は、141円程度でありましたので、2024年の円安効果が消えた状態になっています。
このように、米国の関税政策の混乱により、株式市場は大きく下落し、為替市場は円高方向に大きく動いています。
今後、各国と米国の間で、個別の関税交渉が行われるものと思われますが、その状況が見えてくるまで、金融市場の乱高下は継続する可能性があると考えられます。
新NISAなんかやめておけばよかった!?
2024年から、新NISAを活用して、米国株式などに投資する投資信託などで、投資デビューした方も多いと思われます。
2024年以降のほとんどの時期は、株式市場は現在の水準よりも高く、ドル円市場も円安水準であったことから、2024年から投資を始めた人の多くが、現時点では含み損を抱えています。
このようななかで、「新NISAなんてやめておけばよかった・・・(下にリンクあり)」「新NISAはやめた方がいい」みたいなネット記事が散見されるようです。
私は、このような記事を読んでいつも思うのですが、「NISA」は、「少額投資非課税制度」であり、投資による利益が非課税になる制度に過ぎないのだから、NISAをやったら儲かるとか、損するとかということではないのです。
NISA口座を活用して投資して、利益が出た場合に税金がかならないという制度に過ぎないのです。
だから、NISA自体がいいも悪いもなく、NISA口座で「どのような株式や投資信託を買うか?」「どのような買い方をするか?」「いくらまで買うか?」など、NISA制度の特徴を活かし、ご自身の将来の生活設計に合った戦略的なプランニングが重要なのです。
リンクを貼り付けている『新NISAなんてやめておけばよかった...(月収48万円)定年を控えた59歳サラリーマン、妻の許可を得て投資デビューも「トランプショック」に悶絶「もう人生、詰みました」』の投資方法には以下の問題点があります。
・米国株などの株式への特定の資産へ集中投資
・積立投資ではなく一括投資
・長期投資可能な範囲を超えた投資
この記事には以下のような記載があります。(以下、引用)
「確かに、SNS上でも「新NISAで米国株一括投資」という声は散見され、多くの人が老後不安のなかで、大胆な投資行動に踏み切っています。」
「NISAなど制度そのものに問題があるわけではなく、自分の年齢や資産状況を無視した投資判断をしてしまうことが問題であるといえます。定年前の資産運用においては、「増やす」よりも「守る」ことに重きを置いた戦略が重要です。万一の下落時にも、生活費を確保できる現金を手元に置いておくこと。短期的な値動きに一喜一憂せず、冷静な判断を保つこと」(引用終わり)
繰り返しますが、大事なことは、今回のような事態が発生しても、生活資金などに影響を及ぼさないように、ご自身や家族の年齢、ライフステージ、資産の全体の状況などを踏まえたうえで、適切な預貯金などとのバランスを考えながら、投資に充てる割合・金額を導き出すことです。
そのうえで、投資の大原則であり、NISA制度の特徴を最大限に活かせる投資の手法である「長期・積立・分散投資」を守ることです。
新NISAなんてやめておけばよかった...(月収48万円)定年を控えた59歳サラリーマン、妻の許可を得て投資デビューも「トランプショック」に悶絶「もう人生、詰みました」
「積立投資」は止めた方がいい?続ける方がいい?
新NISAの「つみたて投資枠」、iDeCoなどの確定拠出年金で、毎月定期的に投資信託などを購入していく、積立投資をされている方もおられると思います。
積立投資をされている方のなかには、今まで積み上げた資金については、現時点では含む損が出ているものの、今すぐ換金する必要性はないため、長期投資のスタンスで保有を継続するけれど、今回のように金融市場が荒れている状況では、毎月の積立投資は中断したいという方もおられます。
私は、このようなご相談に対しては、積立投資を続けられるのであれば、続けるべきであるとアドバイスを行っています。
私自身の経験ですが、2000年ごろにはじめて投資信託で積立投資を開始して、すぐに「ITバブルの崩壊」と言われている株式市場の急落に直面して、積立投資を中断してしまったことがありました。
後から考えれば、投資信託の価格が安くなっており、同じ積立金額でも、多くの口数が買うことができる時期に、積立投資をしていないとに気づきました。
その後、銀行勤務時代にでも、下がった時も淡々と積立投資を続けたお客様が、金融市場が回復に向かうなかで、大きな利益を得たことを見て来ました。
このように、私自身やお客様が経験したことを踏まえて、金融市場が混乱している時も、淡々と積立投資を続けることの大切さをお伝えしています。
とは言っても、「具体的な数値に基づく証拠がないとなあ~」という方もおられると思いますので、リーマンショック時にさかのぼって、積立投資を続けるべきかどうかを検証してみました。
リーマンショック時、積立投資を続けた人はどうなった?
「100年に一度の金融危機」と言われているリーマンショックは、2008年9月15日に、米国の大手金融機関であるリーマン・ブラザーズが経営破綻したことによる一連の世界的な金融市場の混乱、景気の悪化などのことです。
当時の日経平均株価は、2007年7月9日に18,261円をつけた後、2008年9月のリーマン・ブラザーズの経営破綻を経て、2009年3月10日に7,054円を記録し、約61%の下落となりました。
S&P500は、2007年10月9日に1,565ポイントをつけた後、2009年3月9日に676ポイントを記録し、約57%の下落となりました。
新NISAが開始してから、1年3ヶ月後に、今回の「トランプ関税ショック」が発生していることから、リーマンショックの1年3ヶ月前の2007年6月から、先進国株式ファンド、日本株式ファンドに毎月1万円の積立投資をした人を想定して、検証を行いました。
積立投資を行ったファンドなどの条件は以下の通りです。
Aさん・・・先進国株式ファンド(リーマンショック時も淡々と積立投資を続けた)
Bさん・・・先進国株式ファンド(2008年10月~2012年12月まで、積立投資を休止し、2013年1月から再開した※)
Cさん・・・日本株式ファンド(リーマンショック時も淡々と積立投資を続けた)
Dさん・・・日本株式ファンド(2008年10月~2012年12月まで、積立投資を休止し、2013年1月から再開した※)
※リーマンショック直後の2008年10月から積立投資をストップして、株価が上昇基調に戻ったと判断できる2013年1月から、積立投資を再開したものとします。
この4人の資産状況が現在(2025/4/11)どうなったかと言えば、
Aさん・・・積立累計額:214万円⇒評価額:695万円 評価損益:481万円
Bさん・・・積立累計額:163万円⇒評価額:385万円 評価損益:221万円
Cさん・・・積立累計額:214万円⇒評価額:508万円 評価損益:294万円
Dさん・・・積立累計額:163万円⇒評価額:295万円 評価損益:132万円
リーマンショック時も淡々と積立投資を継続したAさん、Cさんの圧勝です。
Aさん・CさんとBさん・Dさんの積立累計額の差は51万円(Bさん・Dさんは51ヶ月積立投資を休止していた)です。それに対して評価額の差は、それぞれ304万円、213万円です。
リーマンショック時も淡々と積立投資を行うことで、AさんはBさんよりも253万円(304万円ー51万円)、CさんはDさんよりも162万円(213万円ー51万円)多くの利益を得たことになります。
<データ出所等>
・先進国株式ファンド:三菱UFJ外国株式インデックスファンドの基準価額
・日本株式ファンド:日経225ノーロードオープンの基準価額
いずれも分配金は考慮しておりません。
・毎月15日(休日の場合は翌営業日)に積立購入したものと想定
まとめ
もう一度繰り返しますが、資産形成・資産活用にあたっては、今回のような事態が発生しても、生活資金などに影響を及ぼさないように、ご自身や家族の年齢、ライフステージ、資産の全体の状況などを踏まえたうえで、適切な預貯金などとのバランスを考えながら、投資に充てる割合・金額を導き出すことが重要です。
そのうえで、投資の大原則であり、NISA制度の特徴を最大限に活かせる投資の手法である「長期・積立・分散投資」を守ることことです。
弊オフィスでは、お客様のライフプランや状況を踏まえ、「長期・積立・分散投資」を守った資産形成・資産活用プランを「ライフプラン提案書作成サービス」にて、提供しております。
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最後までお読みいただきましてありがとうございました。
今日も、明日も、皆さまが、ウェルビーイングな人生を送られることを願って!。