「あるご家族の相続物語」～その⑦「上から目線」にムカッと！～
ウェルビーイング・コンサルティング・オフィス
円満相続の道先案内人 寺田尚平です。
※登場人物についてはこちらからご確認ください。
「あるご家族の相続物語」始まります！信彦さんは、家族の財産を他人が管理することに抵抗があったため、成年後見制度の利用は避けてきた。
しかし、母親の相続の発生に伴って、その財産の名義変更や換金のために、相続人がどのように引き継ぐかを決める話し合いを行うには、成年後見制度を利用せざるを得ないことになった。
信彦さんは、気がすすまないものの、とりあえず粛々と手続をすすめることにした。
医師の診断書などの多くの書類を揃えて、家庭裁判所に成年後見の申し立ての手続を行った。
その後、家庭裁判所から、成年後見人は、まったく知らない司法書士が就任するとの連絡があった。
就任した司法書士と連絡をとると、母親の相続については、法定相続分の二分の一以上を母親の取り分として確保する必要があり、これについては話し合いの余地がないことを伝えられた。
家族の財産のことに、他人が口出しして、しかも何となく「上から目線」で言われることが附に落ちない という気持ちを持ちながらも、弟と妹に年明けに、遺産分割についての話し合いを行うことを連絡した。
年明けの３日、今は空き家になっている実家に、きょうだい３人が集まった。
信彦さんは、母親のほとんどの財産は、祖父から相続した上場株式であること、現在の評価額で８０００万円程度であること、司法書士から言われていること などを説明した。
結局、その日は、この問題について、誰もいくら欲しいとか、自分はいらないとか 考えを明かすことなく、何となくけん制し合っているような雰囲気になり、結論は持ち越しとなった。
信彦さんには、もうひとつ母親の「相続税の申告」という懸案事項があった。
「相続税の申告」を誰に依頼すればいいのか、自分で行うことはできないのか など答えをだすことができずにいた。
２月の初旬、とりあえず、父親が元気な時から、確定申告をお願いしている税理士に連絡をとってみた。
税理士からは、なぜもっと早く連絡をくれなかったのか という不満を漏らされた。
「母親の相続税の申告期限は、５月の下旬であること」
「この時期、税理士は、確定申告で多忙を極めているため、４月まで手をつけることができないこと」
「遺産の分割の方針を決めてくれないとすすめることができないこと」
「早急に、証券会社などの資料を揃えて持参して欲しい」 などが少し厳しい口調で伝えられた。
信彦さんは、その「上から目線」の言い方に、「ムカッと」来たが、何とかこらえて、仕方なく従うことにした。
続きは次回のブログで・・・
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