2024年に実現する4つの「変化」
新年、あけましておめでとうございます。
Over50s専門 FP
ウェルビーイング・コンサルティング・オフィスの寺田尚平です。
2024年が始まりましたが、皆さまはどんなお正月をお過ごしでしょうか?
元日、私は、朝4時半に起きて、和歌山城まで軽くランニングした後、サウナに入り、心身ともに整えて来ました。
2023年は、新型コロナウィルス感染症の感染法上の位置づけが、「2類相当」から「5類相当」に移行したことにより、行動制限が解除されて、約3年ぶりにコロナの影響から解放された年になりました。
そして、コロナなどの影響による経済や社会の「変化」が明らかになってきた年でもあると感じています。
身近なところで言えば、完全にオンラインによるミーティングやセミナー・研修などが定着しました。
これまで、東京などの都会への移動にかかる時間やコストがネックとなっていた地方在住者にとって、大きなメリットとチャンスをもたらします。
仕事や学習、交流などの面で、住んでいる場所に関係なく、簡単につながることができることは大きいと思います。
2024年は、これらの「変化」が、さらに進化していく年になるものと考えています。
様々な「変化」があるなかで、社会・経済環境に関する4つの「変化」について、思うところをまとめてみましたしたので、最後までお読みいただけたら幸いです。
目次
信じたモノはみんなメッキがはがれていく~♬
2023年は、大企業や大学などで、多くの不祥事が発覚した年でした。
【6月】近畿日本ツーリスト、コロナ関連事業での過大請求問題
【7月】ビッグモーター、保険金不正請求問題
【8月】日本大学、アメフト部違法薬物問題
【10月】旧ジャニーズ事務所、性加害問題
【12月】ダイハツ、安全装置不正問題 などなど
これ以外にも、ネットで調べてみると、公務員などによる性加害や盗撮など様々な事件が報道されています。
また、12月にマスコミを賑わしたのが「自民党の裏金問題」でした。
他にも、私の仕事に近い金融業界のなかでは「千葉銀行の仕組債問題」「大手損保4社のカルテル問題」などがあります。
これらの不祥事から、サザンオールスターズの「栄光の男」という曲のワンフレーズが頭に浮かんできます。
『「永遠に不滅」と彼は叫んだけど、信じたものはみんなメッキがはがれていく~♬』
これほど、政治家や大企業の不祥事が露呈するようになったことで、「権威のあるもの」「大きなもの」に対する社会の信頼感は低下しています。
「権威があるから、大きいから大丈夫、間違いない、安心」という価値観が揺らいでいます。
私は、1997年頃、山一證券や北海道拓殖銀行などの金融機関が経営破綻した時にも同じようなことを感じましたが、今は様々な業界での不祥事が露呈されることで、多くの方の価値観も「変化」していくものと考えられます。
「デフレ」から「インフレ」へ変化
日本の経済に関しては、長年続いてきたデフレ経済からの脱却が視野に入っている状況です。
デフレ経済では、企業は値下げ競争に陥り、その結果として賃金が上がらなくなり、消費が減退し、さらなる値下げ競争に陥るという悪循環が続きます。
2023年は、デフレから物価上昇が続くインフレへの転換という「変化」の兆候が見られた年であります。
物価の影響を加味した実質賃金は、2022年4月から2023年10月まで、19ヶ月連続でマイナスを続けており、物価上昇に対して、賃金の上昇がついていけていない状況となっています。
この状況が長く続くと、消費者のサイフのひもは締り消費の減退から、デフレ経済に逆戻りすることが懸念されています。
しかしながら、今は少子高齢化に伴う空前の「人手不足」です。
企業にとっては、「人材」の確保、仕事の効率化・省力化などが、より重要な課題となって来るものと考えられます。
「人材」を確保するためには、人事制度や福利厚生などの見直しとともに、賃金の持続的なアップを続けていくことが求められます。
また、効率化・省力化のためには、設備投資などが必要になります。
このようなことから、戦争や紛争、政治的な要因、世界経済の流れなどによる資源価格の上昇による原材料価格の動きとは関わりなく、賃金アップや設備投資に伴う企業が負担するコスト上昇することになります。
企業は、社員の生活を守り、人材を確保し、利益を確保していくために、商品やサービスの価格の値上げを続けていくものと考えられます。
緩やかなインフレが続き、それを上回る賃金の伸びが続くことが、経済にとって最もいい状態であると言われています。
2024年は、長年続いたデフレ経済から脱却するという「変化」が実現する年になることを期待したいと思います。
「金利のない世界」から「金利のある世界」への変化
金融の世界では、2024年は米国をはじめとする主要国の政策金利の引き下げ(利下げ)への転換が注目されています。
コロナ後の需要回復への対応の遅れ、ウクライナ戦争などの影響により、世界的に急激なインフレが発生したため、日本を除く主要国では、インフレを抑えるために、政策金利の引上げ(利上げ)を続けてきました。
2023年後半から、ようやく急激なインフレは抑えられる兆候がみられていること、利上げによる景気悪化が懸念されることから、2024年は、利上げから利下げへの転換が見込まれています。
主要国が利上げをしているなかで、唯一超低金利政策を維持してきたのは日本でした。
米国などの主要国の金利が上がるなかで、超低金利を維持している日本、これが1ドル150円を超える円安になった一因でもあります。
ところが、前述の通りデフレからインフレへの転換の兆しが見られるなかで、2024年は、日本銀行によるマイナス金利政策からの脱却が見込まれています。
「金利のない世界」から「金利のある世界」への「変化」です。
とは言っても、急激に金利が上昇し続けるかと言えば、その可能性は低く、日本銀行は、景気や物価、賃金などの状況をみながら、慎重にマイナス金利政策からの脱却、その後の利上げを進めていくものと考えられます。
米国をはじめとする主要国は利下げ方向、日本は利上げ方向となれば、金利の動きだけからみると、2024年は、円高方向に向かうものと想定されます。
「貯蓄から投資・資産形成へ」の変化
2024年、多くの国民に「変化」をもたらす可能性があることとして「資産所得倍増プラン」があります。
2022年11月、政府は「資産所得倍増プラン」を発表しました。
「資産所得倍増プラン」では、7つの柱が掲げられていますが、その中で一番最初の「変化」は、NISA制度の拡充です。
2022年12月に「新NISA」の概要が明らかになり、2023年は、2024年から始まる「新NISA」への注目が高まりました。
私も、昨年は、多くの各種団体、企業、地方公共団体などで「資産所得倍増プラン」や「新NISA」についてのセミナーをさせていただきました。
受講された方からの関心も高く、新NISAで投資をはじめてみたいという方もたくさんおられました。
20年以上前から、政府は「貯蓄から投資へ」のスローガンのもとで、投資による国民の資産所得を増やすことを推進して来ましたが、ようやくその兆しが見え始めており「変化」の始まりです。
「資産所得倍増プラン」の7つの柱なかには、、「金融経済教育の充実」「顧客本位のアドバイザー制度」「企業による資産形成支援の強化」があげられています。
「新NISA」は、あくまでも投資を行うための箱に過ぎません。
箱のなかに、どうような金融商品を入れるか、どのような考えで、投資に取り組んだらいいのか等の知識を普及させるために、日本全体の金融経済教育をリードする国の組織として「金融経済教育推進機構」が2024年4月に発足します。
今後、様々な場面で「金融経済教育推進機構」が主体となるセミナーや勉強会などが、開催されるものと考えられます。
このようなセミナーや勉強会では、あくまでも一般的な知識を取得するだけに過ぎないため、ひとりひとりに合ったアドバイスが求めれるとの認識のもと「金融経済教育推進機構」が認定する「顧客本位のアドバイザー制度(認定アドバイザー制度)」が2024年中にスタートします。
認定アドバイザーに認定される要件については発表されていませんが、この制度ができた背景から想定すると、少なくとも「金融機関に属していない」「保険や金融商品の販売を行っていない」が要件になるものと考えられます。
このように、2024年には、「貯蓄から投資へ」「貯蓄から資産形成へ」の「変化」は、政府主導で大きく動きだすことになります。
ちなみに、今年の私の目標にひとつは「認定アドバイザー」として認定されることです。
まとめ
これらの4つの「変化」は、「権威があるから、大きいから大丈夫、間違いない、安心」「物価は上がらない」「金利は上がらない」「投資はやめといた方がいい」これまでの日本人の「価値観」や「常識」を覆すものです。
既に、若い世代を中心にずっと同じ会社に勤めるという「常識」は「変化」しており、自身の成長や所得のアップを図るための「転職」が「常識」になりつつあります。
また「副業」「兼業」「リモートワーク」「独立」「起業」など、様々な働き方が広まりつつあります。
そして、働く期間も人それぞれです。
何歳になったら引退という「常識」はなくなり、それぞれがライフスタイルに合わせて考えていく時代です。
このようなかでは、自分としての「軸」というか、「在り方」を明確に持つことが重要になります。
どのような価値観を大切にするのか?どのような生き方をしたいのか?どのような暮らしをしたいのか?などの「ライフデザイン」を明確にすることが求められます。
「ライフデザイン」に基づき、社会、経済環境の変化に対応した、具体的な「ライフプラン」や「キャリアプラン」を考えることが必要です。
1月は、今年1年のやりたいことや目標など考える人も多いと思いますが、1年間だけでなく、より長期的な目線を持ち、社会・経済環境の「変化」も考慮しながら「ライフデザイン」「ライフプラン」「キャリアプラン」を考えてみてはいかがでしょうか?
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