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「投資」を知らなければ、あなたは一生・・・!

皆さま こんにちは!

老後の安心と家族の幸せづくりの専門家 ファイナンシャル・プランナーの寺田尚平です。

先日、『ビジネスエリートになるための教養としての投資』(奥野一成著 ダイアモンド社)という本を読みました。

「投資」を知らなければあなたは一生「奴隷」のままだ。

とても刺激的で、記憶に残るこの一言が、ブックカバーを開いたところに記されています。

投資についての「本質的な考え方」がまとめられていて、とても参考なる本です。

投資をしている方、投資を始めてみたいと考えている方、投資なんてギャンブルだと考えている方・・・など、すべての方に知ってほしいことが書かれています。

そこで、この本の内容で、私の印象に残ったところを中心にコラムを書きました。

最後まで、お読みいただけたら嬉しいです。

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目次

『ビジネスエリートになるための教養としての投資』の著者について

まずは著者のご紹介です。

著者の奥野一成氏は、「農林中金バリューインベストメンツ株式会社」という会社でCIO(最高投資責任者)を務めておられます。

農林中金はJAバンクのJA貯金などの資金の運用を行う役割を担う金融機関です。農林中金バリューインベストメンツは農林中金グループの子会社であり、株式を中心にした投資・運用を行っている会社です。

奥野氏は、この世の中にたくさんある企業の中から、どの企業に投資すればより大きくお金を殖やすことができるかを考えて、最終的な判断を下す役割を担っておられます。

本のブックカバーの裏表紙には、
『日本における長期厳選投資のパイオニアでバフット流の投資を行う数少ないファンドマネージャー。機関投資家向け投資において実績を積んだその運用哲学と手法をもとに個人向けにも「おおぶね」ファンドシリーズを展開している』と紹介されています。


※バフェット=「投資の神様」と言われるアメリカの投資家、経営者、資産家、慈善家。詳しくは、下のリンクをご確認ください。

いわゆる株式投資のプロ中のプロという方です。

「労働者の思想」と「投資家・資本家の思想」

奥野氏は、日本の未来を切り開くためには、日本人一人ひとりが「労働者の思想」ではなく「投資家・資本家の思想」を持つことだと主張されています。

これまで多くの日本人は「労働者の思想」しか持っていなくて、その思想ではもう未来が期待できず、「投資家・資本家の思想」を持てた人が生き残ることができるとしています。

「労働者の思想」は、自分から仕事を作り出すのではなく、上司から言われたことに対して、忠実に対応する、与えらた仕事をこなす、余計なことをしない・・・といった「指示待ち」の考え方です。

この思想では、他人に働かされている状態であり、単に時間と能力を切り売りしている状態となり、収入の増加には一定の限度があると考えられます。
この状態では、仕事に対する情熱ややりがいを持つことは難しいのではないでしょうか?

それに対して「投資家・資本家」は、自らの頭で考え、リスクをとって、他人の時間と能力を使って、働いてもらう立場であり、収入は無限に増えていく可能性があります

本書のなかでは、「労働者」(労働者1.0)が一足飛びに「投資家・資本家」になることは難しいので、まずは「労働者2.0」に進化することを提案しています。

「労働者2.0」は、指示待ちではなく、自ら課題を発見し行動し、「他人に働かされている」ではなく「自ら働いている」感覚を持っている人です。

「労働者2.0」になると、職場によっては「労働者1.0」から煙たがられたり、非難されることもありますが、自ら行動するなかで身につけたスキルや人脈を使って、他社へキャリアアップすることや、独立起業して経営者、投資家、資本家になることもできます。

「労働者2.0」の状態は、仕事に対する情熱ややりがいを感じ、幸福感が高まるのではないでしょうか?

現在は、私は会社から離れて独立してファイナンシャル・プランナーとして仕事をしていますが、人を雇用している状態ではないので、「労働者2.0」にあたると思いますが、仕事に対する情熱ややりがいは強く感じています。

株式投資は「株価」ではなく「事業」に資金を投じること

皆さんのなかには、株式投資は「自分で一生懸命働かずに、お金でお金を稼ぐ行為で悪いことだ」「株をやるのは、ろくでもない奴だ」と思っておられる方もいるかもしれません。

また、株式投資と言えば、一日中パソコンの前に座って画面を見ながら、株式の売り買いを繰り返すデイトレーダーのイメージはないでしょうか?

その姿を見て、私にはできない、向いていないと考えている方もおられるのではないでしょうか?

本書のなかでは、株式投資とは、自分が働くのではなく、投資先の会社の人に働いてもらうことで、そこから得られる利益の一部を分配してもらうこととしています。

株式会社は、オランダやイギリスの「東インド会社」に始まると言われています。

当時、インドや東南アジアで採れるコショウや綿花、お茶などの貿易を行うにあたって、1回の航海ごとに出資者を募って資金を集めて、航海が成功すれば利益を出資者に分配する方式がとられていましたが、出資者にとっては、沈没や略奪などの大きなリスクがありました。

そこで、「東インド会社」つくり、そこに出資してもらい、1回の航海ではなく、複数回の航海で得た利益を出資者に分配するしくみが考えられました。

出資者は、自分で船を操縦してインドや東南アジアへ行くのではないし、コショウなどの産物を栽培するわけではなく、航海が上手な人、コショウなどの産物の栽培ができる人の力を借りて、利益の一部を得るという「他人に働いてもらう」を実践した「投資家・資本家」であったのです。

株式のデイトレードは、売買する企業の事業内容よりも、株価を見て売買しています。

株式に投資しているのではなく、株価を売り買いしているだけです。

朝9時から15時まで、パソコンの前に拘束されて、画面をにらみながら、売買を繰り返しているのは、時間と能力を切り売りしている「労働者」と変わりなく、「投資家・資本家」ではありません。

本来の株式投資は、その会社の「事業」に資金を投じることであり、その事業から生まれる利益の配分を得ることです。

本書に、株式投資が「他人に働いてもらう」ことであるという、とても分かりやすい例が載っていますのでお伝えします。

日本を代表するカリスマ経営者にひとりに、日本電産の永守重信氏がいます。
※永守氏、日本電産については、下のリンクからご確認ください。

もし、あなたが日本電産の株式を保有すれば、永守氏はあなたの部下です。

永守氏は、経営戦略を練り、様々なビジネスのアイディアを考え、社員を叱咤激励して働かせて、継続的に利益を上げてくれます。

その利益を一部を持分に応じて受け取ることができるのが、株式投資です。

自分よりも優秀な人、自分にはできないことができる人に働いてもらい、その利益の一部を受け取ることができることなります。

企業の本質的な存在価値は「社会に付加価値を提供すること」です。

付加価値とは、企業が提供する商品やサービスが、人々の暮らしに役立ったり、便利にしたり、豊かにしたり、楽しくしたりすることです。

企業が社会に付加価値を提供した結果として、得られるのが利益であり、その利益の一部を受け取るのが株式投資です。

企業の社会に対する付加価値の提供に、協力する行為である株式投資をしている人が、「ろくでもない奴」であろうはずがありません。

「投資」と「投機」は違う!

奥野氏は、農林中金らしく「投資」と「投機」の違いを「農地」にたとえて説明しています。

皆さんは、自分が農地を持つとしたら、そこからどのような収益を得ようと思って買うでしょうか。

大半の人は農地に作物の苗を植え、育てて刈り取って販売して、収益を得ようとするでしょう。

この場合に大事なことは、その農地からどれだけの農作物が取れるかということです。

でも、なかにはこんな考え方をする人もいます。

「この農地は今、安い値段で買える。だから、今のうちにこの農地を買い占めて来年、値段が上がったところで売却すれば、その差額が利益になる」

どちらが「投資」で、どちらが「投機」なのかは、わかりますよね。

企業が生み出す利益に着目するのが「投資」であり、将来の株価を予測するのが「投機」です。

利益が増えるには、ある程度の時間がかかります。

だから、株式投資は「長期投資」が基本になるのです。

短期的な株価の動きに着目するデイトレードは「投機」と言えると思います。

株価は、短期的には、その時々の需給関係や人気不人気によって動きますが、長期的には間違いなく、利益と連動した動きになります。

企業の経営戦略、個人のキャリア戦略の構築に活かす3つのポイント

奥野氏が、CIOを務める農林中金バリューインベストメンツの株式投資の方針は「売らなくてもいい会社しか買わない」です。

「売らなくてもいい会社」とは、ずっと利益を増やし続けてくれる会社です。

そのような会社を見つけるための基準として「高い付加価値」「高い参入障壁」「長期潮流」の3つの要素を上げています。

「高い付加価値」とは、「本当に世の中にとって必要か?」ということです。

必要性が高ければ高いほど良くて、言い換えると会社の存在意義です。

「高い参入障壁」は、「今さらその企業の向こうを張って勝負しようだなんて、誰も思わないほど圧倒的に強いか」ということです。

「長期潮流」は、「今これが増えている」とか「来年は何が流行りそう」といった中短期的なブームとは全く違い、もっと普遍的で、不可逆的なものです。

例えば「人口動態」のようなもので、長期的な潮流に沿っているか という観点です。

これらは、株式投資を行ううえで、参考になるのはもちろんですが、企業経営者にとっても、上場、未上場関係なく、経営戦略やビジネスモデルを考えるうえで、いいヒントになると思います。

ただし「高い参入障壁」のところの「圧倒的に強いか」は、非上場企業には、少々ハードルが高いと思いますので、ライバルが存在しないポジショニングをしているか、オンリーワンの位置にいるか 誰にもマネされないか などの観点から検討してみてもいいかもしれません。

経営者の方は、この3つの観点から、自社の経営戦略やビジネスモデルを振り返ってみてはいかがでしょうか?

いや、経営者だけでなく、会社員の方でも、この3つの観点から、ご自身のキャリア戦略を考えてみてもいいと思います。

まとめ

最後まで、お読みいただきましてありがとうございました。

株式投資に関する誤った偏見を持たずに、本質的な意味を認識していただきたくて、こんな長文になってしまいました。

皆さんからは、投資するほどお金に余裕がないとか、企業の事業内容を見極めるほど知識もないし、研究する時間もないと言われそうです。

でも大丈夫です。今の時代、ネット証券会社のなかには、投資信託を100円から購入可能なところもあります。

また、自社の利益を優先するのではなく、優秀で真面目な運用担当者が運用している「アクティブファンド」であれば、企業の事業内容を吟味したうえで、投資を行ってくれます

「アクティブファンド」を活用することは、知識がない、時間がないなかで、自分にはできないどの企業を選ぶかという作業を運用担当者に依頼することになります。

これも「他人に働いてもらう」ことにあたります。

皆さんにとっては、株式投資をすることは、あくまでも「手段」であって「目的」ではありません。「目的」は、よりよい人生を送ることですよね。

私は、ファイナンシャル・プランナーとして、お客様がよりよい人生を送るために、「手段」にたどり着くまでの「ライフプラン」や「ご資産の一覧表」の作成などを通じて、全体の方針・戦略を立てるサポートをさせていただいております。

皆さまが、よりよい人生を送るための様々なお手伝いをさせていただけることが、私の喜びです。

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