50代からは「自分」らしい人生を選ぼう!
皆さま こんにちは!
老後の安心と家族の幸せづくりの専門家 ファイナンシャル・プランナーの寺田尚平です。
先週、39都道府県で、緊急事態宣言が解除されて、徐々にではありますが、行動が制限される生活から、解放されるようになってきました。
まだまだ、油断はできず、十分に注意して行動する必要がありますが、自由に外出できれば、少し、ウキウキした気分になるものですね。
自宅に閉じこもって生活することは、外出するという「選択肢」を奪われて生きることになり、ストレスがたまるものです。
今回のブログでは、人生における「選択」というテーマで、私が感じているところをお伝えしたいと思います。
目次
- ○ 「人生の正午」という考え方
- ○ 「自己決定権」を取り戻そう!
- ○ 最期まで「自己決定権」を!
- ○ 「自分で決める」ための基準をつくろう!
- ○ 私が考えるファイナンシャル・プランナーとは?
- ○ まとめ
「人生の正午」という考え方
皆さん「人生の正午」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
心理学者ユングが残した有名な考え方です。
ユングは、人の人生を1日の太陽の動き、日の出から日の入りまでの時間にたとえ、4つの時期に分けて定義しています。
それは、少年、成人前期、中年、老人というステージがあり、ステージとステージの間には、「転換期」という「危機の時期」があると指摘しています。
そして、人生の午前から午後への境目、成人前期から中年へ「転換期」を「人生の正午」と定義して、人生最大の危機であるとしています。
ユングは、「人生の正午」を40歳前後と定めていますが、人生100年と言われる今では、50歳前後に「人生の正午」を迎えるものと考えることもできます。
「自己決定権」を取り戻そう!
多くのサラリーマンの場合、50代になれば、サラリーマン人生の自分の行く末がある程度見えてきます。
そして、役職定年などにより、職場で求められる役割も大きく変化し、自分の存在価値について考えさせられることになります。
母親である女性の場合、50代になれば、子どもが独立して離れていきます。
子育てから上手く卒業できない場合、自分の存在について悩むこともあります。
このように、50代はひとつの役割を終えるという「寂しさ」を感じながらも、次の役割や生きがいを見つけて、「人生の午後」をどのように生きていくかを考える時期です。
そして、様々な選択を迫られることになります。
サラリーマンの場合、学校卒業後、転職したことなく、ひとつの勤務先に勤めてきた場合、仕事に関する意思決定は、ほぼ会社の決定に従って来たと思います。
しかし、50代以降は、役職定年、出向、退職、再雇用、再就職など 環境が大きく変化するなかで、自分で判断し、選択していくことを求められることが多くなります。
雇用については、日本のこれまでの主流の雇用形態である「メンバーシップ型雇用」から、欧米流の「ジョブ型雇用」の比率が高まっていくものと考えられます。
今まで以上に雇用の流動化が進展し、転職や独立する人が増えることになります。
やはり、ここでも「選択」することが求められます。
また、子育てという大きな仕事を終えた50代は、親の介護という問題を抱えながらも、これからの人生を楽しむために、何をしていくか「選択」していくことになります。
そして、「選択」にあたっては、他人の目や同調圧力に負けて「仕方なく・・・」ということではなく、自分の心の声に従った納得のいく選択をして欲しいものです。
簡単に言えば、「自分のことは自分で決める」ということです。
サラリーマンは、仕事上の「自己決定権」を多かれ少なかれ放棄しながら、勤めてきたと思いますし、子育て中は、自分のことより子どものことを優先してきたと思います。
だから、50代以降は「自分のことは自分で決める」という「自己決定権」を徐々に取り戻していきたいものです。
最期まで「自己決定権」を!
人生における「選択」を他人に委ねたり、他人の目を気にしたりするのではなく、「自分のことは自分で決める」ことは、一生を通じて貫きたいものです。
しかし、そうならないことが起こることがあります。
それは、認知症などによって、意思判断能力が低下してしまうことです。
本人の意思確認ができなければ、原則、本人名義の「預貯金」の引き出しや「自宅」などの不動産の売買や賃貸を行うことができなくなります。
その場合、成年後見制度の「法定後見」を利用して、預金の引き出しなどに対応することになります。
意思判断能力のない本人に代わって、判断する「後見人」は、現状、家族が指名されるケースは比較的少なく、4人に3人は、弁護士などの専門家が指名されています。
自分のことを知ってくれていて、元気であれば、このような判断をしたであろうと推測することができる家族ではなく、全くの「赤の他人」に、「預貯金」などの大事な資産の管理を委ねることになります。
ある意味、自分の人生に対する「自己決定権」を放棄していることになってしまいます。
認知症などで意思判断能力がないから仕方ないという考えもあるかもしれませんが、せめて自分のことを理解してくれている家族などに判断を任すようにしておきたいものです。
延命治療をどうするかと言った「終末期」の医療や相続発生後の財産の引き継ぎ先を決めておくことなど、についても同じことが言えると思います。
よく相続について「自分が亡くなった後のことは知らない。子ども達が何とかするだろう」という言葉を聞きますが、生きることに対して、とても消極的な発言のように感じます。
認知症になった時のことや相続が発生した時のことを考えるのは、どちらかと言えば「消極的」な捉え方をする方は、まだまだ多いと思います。
認知症にならないように、いつまでも元気で長生きするように、健康に気を付けることはとても大事なことです。
しかし、認知症になった時の「預貯金」等の資産の管理や相続についての対策をしてなかったら、もしそうなった時には、自分のことを他人に委ねることになってしまいます。
それって、かなり「消極的な生き方」ではないでしょか?
最期まで「自分のことは自分で決める」人生こそ、前向きでいい人生ではないでしょうか?
もし認知症になった時のことや相続のことを考えることは、最期まで「自分」を生ききることに繋がるのではないでしょうか?
※元気なうちに、認知症などによる意思判断能力の低下した時の「預貯金」等の資産の管理を、自分の意思を伝えたうえで、家族などに託すしくみとして「家族信託」や「任意後見制度」があります。また、相続発生後に財産の行き先について、自分の意思を反映させる方法として「遺言書」や「生命保険」の活用が考えられます。
「自分で決める」ための基準をつくろう!
人生における様々な「選択」を行うにあたって、判断の基準となるものがあれば、迷うことなく「決める」ことができます。
判断の基準になるものは、個人の人生に対する「価値観」が反映された「ライフデザイン(生き方)」であり、「ライフデザイン」をより具体化した「生活設計プラン’(ライフプラン)」です。
私自身の経験では、「生活設計プラン(ライフプラン)」を作成することにより、
①自分のやりたいこと、夢や目標に向かっていく気持ちになれる。
②将来の収入や支出、貯蓄の状況が見える化されることにより、やるべきことが明確になり、お金に対する将来の不安がなくなる。
③長期的な視点で、自分や家族の人生を考えることができる。
④自分の本当の気持ちに向き合い、本当に自分らしく生きるきっかけになる。
などの効果を得られ、生きていくうえでの様々な選択の基準になるものと考えています。
私が考えるファイナンシャル・プランナーとは?
私は、ファイナンシャル・プランナーの仕事は、お客様の「生活設計プラン(ライフプラン)」をベースとして、ライフプランを実現するために、どのような「選択肢」があるかを検討して、その中から、お客様にとって最適な手段・方法を提案することだと考えています。
手段や方法ではなく、まずは「生活設計プラン(ライフプラン)」ありきです。
ファイナンシャル・プランナーという立場上、よくご質問いただくことが多い内容は、「今、どれが儲かるの?」と「老後はいくらあれば大丈夫?」です。
残念ながら、プロとして、これらの質問に、安易に答えるわけにはいきません。
なぜなら、ひとりひとりの状況によっては、大きく異なるからです。
大きく増える可能性があるものは、当然ながら大きく損失を出す可能性があること、すなわち「上手い話」はないということですから、その人の考えやご資産の状況、今後のライフプランによって、提案すべきものは変わってきます。
また、将来の収入・支出の状況、貯蓄の状況などによっては、老後に備えていくらいるかは、ひとそれぞれです。
情報化社会と言われる現在において、様々な制度や金融商品、保険などの情報があふれています。
一般の方が、あふれている情報のなかから、自分や家族に適したものを選択していくのは、困難な状況です。
お金や資産に関することについて、幅広い分野をカバーしているファイナンシャル・プランナーは、あふれている情報の中から、お客様の「生活設計プラン(ライフプラン)」を基準として、しぼり込んだ、最適な「選択肢」を提案する役割です。
そして、最適な「選択肢」の提案には、中立性が求められますので、金融機関などに所属していない、金融商品や保険などの取り扱いをしていないことが、重要なポイントです。
まとめ
最後まで、お読みいただきましてありがとうございました。
「人生の正午」を迎える50代は、私もそうですが、様々な面で大変です。
けれど、ここでしっかり自分と向き合い、将来のこと考え、自分が納得した「選択」を行っていくことが、午後からの人生を豊かにするものと信じています。
たった一度の人生なんだから、精一杯「自分」を生きてください。
そのために、私にできることは、喜んでお手伝いさせていただきます。
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