子どもがいないご夫婦に「まさか」の出来事が・・・
皆さま こんにちは!
老後のお金と相続の最初の相談窓口
ウェルビーイング・コンサルティング・オフィスの寺田尚平です。
新型コロナウィルス問題が、そろそろ終息の兆しが見えてくればいいのですが、とにかく感染予防、健康管理を含めて、今できることをやるしかないですね。
前回、子どもがいないご夫婦が、老後を安心して暮らすために考えておいてほしいことをお伝えしました。
今回は、実際に子どもがいないご夫婦に起こったことをお伝えしたいと思います。
ご自身やお知り合いが、あてはまる場合は、ぜひご一読くださいね。
※個人情報保護の観点から、内容については、一部変更して記載しております
目次
相続の手続が進まない間に、まさかの出来事が・・・
そのご家庭には子どもはなく、ご主人様は元会社員、奥様とおふたりで、大阪府下の賃貸マンションで暮しておりました。
おふたりとも70代後半です。
主な財産は、ひとつの銀行に預けている2千万円の定期預金です。
ご主人様の兄弟姉妹は4人。全員お元気ですが、九州や中国地方にお住まいで、普段からあまりお付き合いはありませんでした。
奥様には、妹さんがおひとりおられて、四国地方にお住まいでありますが、たびたびご夫婦の様子を見に来られていました。
このような状況で、ご主人様がお亡くなられました。
四国から奥様の妹さんが来て、葬儀などの相続後の手続について奥様のお手伝いをしてくれていました。
ご主人様の兄弟姉妹は、遠方でご多忙ということもあり、葬儀には参列されませんでした。
葬儀後、ご主人様の2千万円の預金について、奥様が名義変更の手続を行う必要があります。
銀行の担当者からは、戸籍謄本や各相続人の印鑑証明書、相続手続依頼書への各相続人の署名・実印の押印について説明がありました。
奥様は、ご主人様の4人の兄弟や姉妹と話し合いをして、銀行の書類に署名・押印等をいただく必要があるのですが、話し合いや手続が全くすすまないうちに、体調を崩されて、入院されてしまいました。
70代後半の奥様が、遠方にいるご主人様の兄弟や姉妹に連絡をとって、事情を説明して、手続をすすめていくことは、精神的にも大きな負担になったのではないかと推測できます。
そして、入院後1週間ほどで、奥様は後を追うように、お亡くなりになってしまいました。
まさかの出来事の後は?
奥様に、付き添っておられた妹さんは、途方に暮れてしまいました。
こんなに短い間に、義兄と姉を見送ることになるなんて・・・
奥様がお亡くなりになった後、この預金については、奥様の唯一の相続人である妹さんが、ご主人様の兄弟姉妹と話し合いをすることになります。
妹さんは、ご主人様の兄弟姉妹とは、ほとんどお会いしたことはありませんし、相続に関する法律的な知識等もありません。
また、遠方ということもあり、電話や手紙でやりとりすることになります。
とても大変です。
幸いにも、銀行の担当者の上司が、親切に対応してくれて、相続手続のアドバイスやサポートを行ってくれたので、時間はかかりましたが、法定相続分通リに分けるということで、全員承諾し、手続を完了することができました。
結果的に、妹さんがご主人様の預金の4分の3を相続することになりました。
まとめ
最後まで、お読みいただきましてありがとうございました。
実際にあった子どもがいないご夫婦のお話しですが、いかがでしたでしょうか?
ご主人様がお亡くなりになった後、奥様や妹さんが、ご主人様の兄弟や姉妹と慣れない相続の手続を行うことは、精神的に大きな負担になったのではないでしょうか?
もし、銀行の担当者の上司からのアドバイスやサポートがなければ、法律的な知識がない状態で、妹さんがご主人様の兄弟や姉妹と話し合いをしても、上手くまとまっていない可能性があります。
相続の手続が、進行せずに、定期預金が永久凍結したままになってしまうことも考えられます。
ご主人様が、生前元気なうちに、奥様に全財産を遺すという内容の「公正証書遺言」を作成していれば、何の問題もなく、奥様が単独で預金の名義変更手続を行うことができることになります。
また、定期預金のなかから、一部の資金を「一時払い終身保険」などに移しておけば、奥様が単独で保険金の請求を行うことが可能でした。
子どもがないご夫婦の場合、このような問題は起こりえることですから、安心して、老後を過ごすためにも、生前、元気なうちから備えを検討しておくことはとても大切なことです。
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