「紀州のドンファン」 遺言で、13億円超の財産を田辺市が受け取りへ
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「紀州のドンファン」と呼ばれている、和歌山県田辺市の酒類販売会社元社長、野崎幸助氏の遺産を遺言書に基づき、田辺市が受け取る方針を明らかにしたことが報道されています。
各報道機関によると、野崎氏は、全財産を田辺市の寄付する内容の遺言書を作成しており、遺産は不動産や車、絵画などを除いて13億2000万円あまりということです。
田辺市は、この遺言書は有効なものであると判断して、市民全体の利益を考えて遺産を受け取る方針を固めたようです。
もし、遺言書がない場合は、相続人である、亡くなる3ヶ月ほど前に結婚した55歳年下の妻ときょうだいが、遺産をどのように分けるかという話し合い、遺産分割協議を行うことになります。
法律では、遺産分割の際の目安として、「法定相続分」を定めています。
この場合の「法定相続分」は、妻は3/4、きょうだい全員で1/4となります。
「法定相続分」は、あくまでも目途であるため、遺産分割協議では、必ずしもその通りに分ける必要はありません。
ただし、遺産分割協議等がまとまらずに、最終的に裁判所が審判を下す場合は、「法定相続分」にしたがって決められることが多いようです。
今回のように、遺言書があり、それが有効なものであれば、遺言書の内容が優先されることになります。
したがって、田辺市は野崎氏の全財産を取得することができることになります。
紙切れ1枚で、まったくの他人にも財産を遺すことができるので、遺言書の力は絶大です。
(写真 和歌山県田辺市 天神崎)
しかしながら、法律では、遺言にかかわらず、一定の相続人に、最低限の取り分があることを定めています。
「遺留分」というものです。
今回の場合、妻には1/2の遺留分があり、きょうだいには遺留分がありません。
妻は田辺市に対して、全財産の1/2を請求することができます。
この権利のことを「遺留分侵害額請求権」と言います。
あくまでも分け方の目途である「法定相続分」と違い、「遺留分」は最低限の保障された権利であることから、余程のことがない限り、認められることになります。
野崎氏のきょうだいからすれば、遺言書がなければ、妻との話し合いにより一部の財産を相続できる可能性があるのですが、遺言書があるために、財産を受け取れるのは、田辺市と妻だけになってしまったということになります。
今回のこのような、特殊なケースではなくても、遺留分は意識しておく必要はあります。
現在の法律は、きょうだいは均等に親の財産を分けることを前提としてします。
ただし、均等に分けることが、果たして公平かどうかという問題があります。
介護などの親の面倒をみた子どもや家業を継いだ子どもなどと、他のきょうだいとの間で、均等に財産を分けることは、本当に公平かという問題です。
様々な事情により、金銭的な価値では、不公平な分け方をする遺言書を作成する必要があることもあります。
しかし、その場合でも「遺留分」ということを意識した対応や、対策を検討しておくことが必要になります。
(写真 和歌山県田辺市 闘鶏神社)
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