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「あるご家族の相続物語」~その⑬ もう我慢できない!信彦さんついに切れる!~

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それでは、「あるご家族の相続物語」その⑬です。

※登場人物についてはこちらからご確認ください。

「あるご家族の相続物語」始まります!

預金と上場株式のなかから、相続税を支払い、残りの金額を均等に弟と妹で分け、実家、アパート、青空駐車場は信彦さんが相続する というのが弟と妹の希望だ。

実質的に、信彦さんは不動産だけを相続することになり、すぐに現金化できる預金・上場株式は、弟と妹が持っていくということだ。

信彦さんは、弟と妹の案に対する代案を提示することはできず、話し合いは進まないまま、8月のお盆にもう一度話し合うことになった。

信彦さんは、これまでの出来事を振り返った。

父親の足の骨折による入院から始まり、認知症の発症、その後の徘徊、施設への入所費用のために父親の定期預金が引き出せなかったこと、固定資産税の支払い、アパートや実家の修理費用のこと、母親のがんが発覚したこと、母親の死亡、母親の相続手続、相続税の申告・・・など 本当にいろんなことがあった。

この前の話し合いでは、言わなかったが、固定資産税や施設への入所費用、修理費用など 父親が認知症により判断能力が低下したことから、預金の引き出しができなくなり、信彦さんの定期預金を解約して支払っている。

また、成年後見制度を利用した後でも、いちいち成年後見人の司法書士に確認するのが、面倒なため、父親のための日々の細かい費用などについても、信彦さんの家計から支払っている。

そんなことは、お構いなしに、財産の評価額では、信彦さんが半分近くもらうのだから、問題ないはず というのが弟と妹の考えだ。

長男として、中心となって両親の面倒を看る責任があり、弟や妹より負担が大きくなることは仕方ないものと考えている。

しかし、これまでの信彦さんの苦労について、全く気遣うことなく、これからもお荷物になる可能性がある不動産だけを押し付けてくるという弟と妹の態度が気にいらない。

今回の話し合いでは、あえてこの部分は言わなかったが、「そこは、わかれよ!」というのが、信彦さんの本音だ。

再び、お盆にきょうだいが集まり、話し合いの機会をもったが、弟と妹の希望は変わらなかった。

信彦さんは、もう我慢の限界だと思い、とうとう切れてしまう。

弟と妹に、父親の認知症の発症から、母親の相続、父親の相続まで、どれだけ自分達家族が苦労したか、父親の預金が引き出せないために、いくら支払っているかなど 怒鳴りつけるようにぶちまけた。

妹は、信彦さんに、母親の延命治療を勝手に断ったことを持ち出して、子どもの頃から、お兄ちゃんは自分勝手で馬が合わない と言ってきた。

もう話し合いは、泥沼に入りこんでしまった。

2時間経過したが、話し合いは平行線のままで、次はいつ話し合うかも決めることができずに、険悪なムードで終了した。

続きは次回のブログで・・・

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