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「あるご家族の相続物語」~その⑪ 相続税が1千万円も違う・・・~

ウェルビーイング・コンサルティング・オフィス

円満相続の道先案内人 寺田尚平です。

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それでは、「あるご家族の相続物語」その⑪です。

※登場人物についてはこちらからご確認ください。

「あるご家族の相続物語」始まります!

ハウスメーカーの担当者の上司から指摘された内容は、相続税のことだ。

母親の相続時には、母親が遺した株式をきょうだいのなかで、どのように相続するか決めきれなかったので、とりあえず父親がすべて相続することにした。

そして、配偶者の税額軽減の特例というのを使って相続税はゼロになった。

ハウスメーカーが連携している税理士によると、母親の相続時と父親の相続時の相続税を合わせて考えると、母親の相続時には、母親の財産を父親ではなく、子どもが相続した方が、トータルでは支払う税金が少なくなるとのことであった。

試算によると、もし母親の相続時に、すべて子どもが相続したとしたら、トータルの相続税は1千万円程度少なくなるのではないか との話だ。

信彦さんはこの話を聞いて、呆然とした。

冷静になって考えると、父親に意思能力がないことから、母親の相続の手続をすすめるためには、成年後見人をつける必要があって、気がすすまないけれど、仕方なくつけることになった。

そして、成年後見人は、父親の権利を守るという観点から、法定相続分以上の財産 すなわち半分上の財産を確保する必要があることを主張した。

そこで、信彦さんは、父親が「ニ分の一」、子ども達で「二分の一」という風に分けていたらどうだったか、教えて欲しいと上司に依頼した。

翌週、上司から電話があり、あくまでも父親の相続時まで、株価に変動がないということを前提として、このまま相続するより、5百万円程度少なくなるとのことであった。

そんな話、相続税の申告をお願いした税理士事務所の担当者は言ってくれなかった。

その夜、今回の件について信彦さんはこんなことを考えた。

「今回はきょうだいでどのように分けるかについて結論を出すことができずに、安易に父親がすべて相続することになってしまったので仕方がない。」

「しかし、相続財産の分け方によって相続税がこのように違うことを知ったうえで、きょうだいで話し合うのと、知らずに話い合うのでは、もし結果が同じことになったとしても意味が違う。」

「この件を妹に説明すると お兄ちゃん もっとしっかりしてよ って怒るだろうな。」

「父親の相続についても、成年後見人がついてしまった今となっては、相続税を減らすための対策は何もできないし、台風や大雨の度に修理が必要になる古いアパートを建替えるここともできない。」

「このまま指をくわえて、相続が発生するまで待つしかないのか。」

「もっと早くから、知っていれば・・・」

「病気のことでセカンドオピニオンって言葉は聞くけど、お金や財産のことでもセカンドオピニオンって大事だし、将来こんな困り事が起こる可能性があることを教えてくれる人がいたらいいのに・・・」

続きは次回のブログで・・・

当オフィスは、相続のことが何となく気になっているけれど

・どこに相談したらいいんだろうか?

・いったい何から手をつけたらいいのだろうか?

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