「前妻・前夫との間に子どもがいる人」の相続はどうなる？
ウェルビーイング・コンサルティング・オフィス
円満相続の道先案内人 寺田尚平です。
相続で困り事が起こる可能性の高い人シリーズの４回目です。
今回は、「前妻や前夫との間に子どもがいる」ケースです。
他界した人の財産を相続する権利のある人（相続人）は、法律で定められています。
配偶者は常に相続人になり、第１順位の相続人は子、第２順位の相続人は親、第３順位の相続人は兄弟姉妹になります。
婚姻関係にある（＝入籍している）夫婦は、お互い相続人となります。
離婚した後は、相手方の相続人ではなくなります。
しかし、婚姻関係があった時に、生まれた子どもは、離婚した後も相続人になります。
離婚しても、夫婦の関係はなくなるが、親子の関係はなくならない ということですね。
例えば、離婚後、再婚しないで独身でいる人に、相続が発生した場合は、相続人は、結婚していた時代に生まれた子どもになります。
それでは、離婚後に再婚した場合はどうなるでしょうか？
再婚した場合は、婚姻関係にある配偶者は、常に相続人になります。
次に、再婚相手との間で生まれた子どもがいる場合は、その子どもも相続人となります。
まとめると、相続人は、配偶者、現在の配偶者の間の子ども、以前の配偶者の間の子どもです。
もう少し簡単に表現すると、現在の夫または妻と子ども、前妻または前夫との間の子どもです。
子ども同士の関係は、「異母きょうだい」「異父きょうだい」ということになります。
同じ父母から生まれたきょうだい間での財産の分け方の話し合い（遺産分割協議）に、比べてみると、その話し合いは、ずっと難しくなるような感じがしますよね。
妻や夫とその子どもが、前妻・前夫との間に子どもの存在自体を知らなかったというケースもまれにあります。
相続が発生した後に、戸籍謄本でとって初めて、その存在を知るということです。
これは、大混乱になります。
妻や夫とその子どもは、相続手続をすすめようとしても、まずは前妻・前夫との間の子どもと連絡をとる必要があります。
どこにいるか捜すことからスタートです。
捜して、連絡をとって、いきなり初対面の人と、財産の分け方についての話し合いを行うことになります。
精神的にも、時間的にも、経済的にも、大きな負担です。
このような財産を引く継ぐ人の負担を少なくするためにも、前妻・前夫との間に子どもがいる人は、生前に対策を行っておくことは必須です。
前妻・前夫との間に子どものいる人のなかには、相続について、どのようになるか、心の中で、ひっかかっている方もおられるかと思います。
そのまま放置して、相続が発生したら、本当にご家族に負担をかけることになります。
早め、早めに対応しておくことをおススメします。
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