50代・60代の方へ 認知症による親の「財産の凍結」心配ではないですか?
ウェルビーイング・コンサルティング・オフィス
地域密着型相続コンサルタント 寺田尚平です。
前々回のブログで、「相続空き家」の売却時の税金の優遇措置についてお伝えしました。
この制度は、相続発生後に、親から相続した実家を売却した時に使える制度です。
「相続空き家」問題と同様に、最近、問題となることが多くなってきているのが、親が認知症になったことによる 生前の「財産の凍結」です。
具体的には、このような事例です。
・認知症になった親の介護費用のために、親名義の定期預金を解約しようと銀行の窓口に行ったところ、解約できなかった。
・認知症の親が介護施設に入所することになったので、その費用などを準備するために、不動産屋さんに実家を売却する相談をしたが、売却手続ができないと言われた。
この状態では、親の介護費用や介護施設の入所費用について、子どもの預貯金等から支払わざるを得ません。
子どもの学費と親の介護費用のダブル負担という状態になるご家庭もあるかもしれません。
この状態を解決する方法は、ただひとつしかなく「成年後見制度」の「法定後見制度」を使うことになります。
成年後見制度は、判断能力が不十分な人に代わって、契約や手続を行う人(成年後見人)を決めるものです。
法定後見制度を利用するためには、家庭裁判所に「成年後見の申し立て」を行い、成年後見人を選任してもらう必要があります。
家庭裁判所に成年後見の申し立てをしてから、利用できるようになるまでは、役所の資料によると、多くの場合、4ケ月以内となっています。
2ケ月~3ケ月程度というところでしょうか?
また、介護施設に入所するために、親の自宅などの居住用不動産を売却する場合は、成年後見人が選任された後に、居住用不動産の売却の許可を得なければなりません。
この手続の流れから考えると、法定後見制度を利用して、親の自宅を売却して現金化できるまでは、少なくとも半年程度は必要であることは想像できます。
これでは、いい介護施設が見つけても、希望通リに、入居できないという事態も考えられます。
さらに、成年後見人は、必ずしも家族が選任されるものではないことも注意が必要です。
成年後見人に選任された家族が、本人の財産を私的に使うという事例が多発したことから、現在では、家庭裁判所は、ほぼ7割のケースで、専門家(弁護士や司法書士など)を成年後見人に選任しています。
この家庭裁判所の決定に対して、不服を申し立てることはできません。
専門家が成年後見人になった場合、通常報酬の支払いが発生します。
親の財産の額によりますが、月額2万円~6万円程度と言われています。
そして、法定後見制度は、親の判断能力が回復したと認められる場合でない限り、制度の途中でやめることはできません。
認知症が治るということは、まだまだ難しいと思われますので、親の相続が発生するまでは、報酬の支払いが続くことになります。
法定後見制度は、判断能力が不十分な人を保護することが目的の制度です。
悪質な訪問販売の被害などを防ぐという観点からは、大変有効な制度です。
しかし、親名義の不動産や株式などを適切な時期に売却したり、建物を建築したり、大規模の修繕など という親の財産を有効に活用することには対応できません。
家族全体の様々な課題や問題に柔軟に対応できないという難点があります。
そこで、親が認知症になった場合の「財産の凍結」に備える対策として、最近注目されているのが「家族信託(民事信託)」です。
次回以降、認知症の財産管理と相続対策に効果を発揮する「家族信託(民事信託)」について、お伝えしていきたいと思います。
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