「相続空き家」売却時の税金の優遇措置 適用期間が延長されました!
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地域密着型相続コサルタント 寺田尚平です
少子高齢化や核家族化が進行したことにより、親が自宅を空き家にしたまま、
老人ホーム等に入居したり、または親が亡くなり、相続した子どもがそのま
ま放置しているという いわゆる「空き家」が社会的な問題になっています。
空き家のまま放置すると、様々な問題が発生します。
空き家への不法投棄でゴミのたまり場となり、悪臭などで、ご近所に迷惑を
かけたり、放火などの犯罪の温床になったり、地震が発生した時に倒壊し、
避難経路をふさいだりすることなどが考えられます。
このようなことが、発生すると所有者は、損害賠償責任を求められることも
考えられます。
亡くなった親の自宅を相続した子どもが、そのまま放置している「相続空き
家」を少しでも解消するために、2016年4月から始まっている「相続空
き家の3000万円特別控除」という特例があります。
この特例は、相続した空き家を売却して利益がでた場合、一定の条件を満た
していれば、3000万円までの利益であれば、税金が免除されるものです。
不動産を売却(譲渡)した場合、売却(譲渡)価格から取得費と売却(譲渡)
に係わる諸経費を差し引いたものが譲渡所得となり、所有期間に応じた税率
により、所得税・住民税が計算されます。
【譲渡所得の計算式】
譲渡価格-取得費-譲渡に係わる費用(仲介手数料など)-特別控除
このなかの取得費は、自宅を取得した時の費用のこと(建物は減価償却相当
額を控除後)ですが、通常相続の場合は、不明の場合が多くあります。
その場合は、譲渡価格の5%が取得費ということになります。
例えば、45年前に親が購入した、取得費が不明の親の自宅(土地・建物)
を、子どもが相続した後に1000万円で売却した場合で考えると、
取得費は5%と計算されて50万円となり、譲渡に係わる費用(仲介手数料
など)が50万円かかったと仮定して、「相続空き家の3000万円の特別控
除」が適用されない場合は、譲渡所得は900万円となります。
税率は、長期譲渡所得の20.315%(所得税・住民税合算)が適用されて、
税額は、約183万円になります。
売却した金額の約2割の税金を納めることになります。
「相続空き家の3000万円の特別控除」が適用された場合は、譲渡所得は
0となり、譲渡所得税の負担はありません。
この特例が使えるのと使えないのとでは、税金の負担はかなり違いますよね。
この特例が適用されるための主な条件は、以下のようになります。
(すべての条件は、国税庁のホームページをご確認ください)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm)
・昭和56年5月31日以前に建築されたこと
・区分所有建物(マンション)でないこと
・売却する時点で、建物に一定の耐震性があることまたは建物を解体して売却していること
・亡くなった方が亡くなる直前まで居住していたこと
・相続発生日から3年後の年末までに売却していること
・相続発生後から売却までの間に、賃貸したり、相続人が住んだりしていないこと
・売却金額が1億円以下であること
・親族などへの売却でないこと
かなり複雑でややこしい条件ですが、ザクっとまとめるとこんな感じになる
でしょうか?
「親が亡くなる直前まで住んでいた、昭和56年5月31日以前に建築さ
れた一戸建住宅で、亡くなってから、ずっと空き家のままで、3年後の
年末までに、建物に耐震性がない場合は、耐震リフォームをするか、解
体して、1億円以下で、他人に売却すること」
この特例の適用期限などについて、2019年4月1日から改正されました。
従来、特例の適用期限が、2019年12月31日までであったのが、
2023年12月31日まで延長されました。
さらに、一定の要件を満たしたときは、老人ホーム等に入所したことにより
空き家になっていた親の自宅を相続した後に、売却した時も適用できること
になりました。
(税制改正の詳細については、自民党ホームページ 平成31年度税制改正
21ページにてご確認ください。)
https://www.jimin.jp/news/policy/138664.html
親から相続した空き家で悩んでいる方は、「相続空き家」について、このよう
な特例があることを頭の片隅に置いたうえで、親が遺してくれた財産を有効
に活用する方法を検討してみてはいかがでしょうか?
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