身近で起こっている相続トラブル せっかく書いた「遺言書」がトラブルの原因に!
ウェルビーイング・コンサルティング・オフィス
地域密着型相続コンサルタント 寺田尚平です。
前回のブログで、最近お会いした方から聞いた相続トラブルの事例(相続に
よる不動産の共有名義はキケン)をお伝えしましたが、今回も、最近お聞き
した相続トラブルの事例をお伝えします。
前回のブログはこちらから 👇
それは、「遺留分を侵害した遺言書」です。
何やら、聞きなれない「遺留分(いりゅうぶん)」という言葉が出て来ました
ので、まずは「遺留分」について説明します。
遺留分とは、一定の相続人に保証された最低限の権利のことです。
具体的には、他界された方の相続人が、
- 配偶者と子どもの場合 配偶者 1/4 子ども 1/4
- 配偶者と父母の場合 配偶者 1/3 父母 1/6
- 配偶者と兄弟姉妹の場合 配偶者 1/2 兄弟姉妹 なし
と最低限主張できる取り分が定められています。
もし、遺言書で自分が最低限主張できる取り分を相続することができなく
なっている場合は、自ら主張して請求する必要があります。
これを「遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)」と言います。
例えば、父と母、長男、次男の家族で、生前に父が、全財産を長男に相続さ
せるという遺言書を書いていたとします。
遺留分として、母は1/4、次男は1/8の最低限の権利を持っています。
全財産を長男に相続させるという内容のこの遺言書は、遺留分を侵害してい
ますが、無効ということではありません。
相続発生後、遺言書の内容を確認した母と次男は、戸惑います。
「どうして長男にすべてなんだ? お父さんは何を考えていたんだ!」
そして、怒りの矛先は長男に向かいます。
その後、知人から「遺留分減殺請求」という制度があることを聞いた次男が、
母に伝え、母と次男で長男に対して「遺留分減殺請求」を行うことになりま
す。
請求された長男は、
「父の遺言書の通リにするのが当たり前だ。そのような請求は筋違いだ!」
という風になって、「争族」が勃発します。
遺言書の作成は、「争族」を防ぐための有効な手段ですが、このように「遺留
分」を侵害した遺言書は、逆に「争族」を発生させる原因になります。
生前に遺言書を作成する場合は、この「遺留分」について意識して作成する
ことが重要なことになります。
「遺留分」を侵害しない遺言書を作成することができればいいのですが、様々
な事情で、「遺留分」を侵害した遺言書を作成しなければならないケースもあ
ります。
そのような時は、遺言書の付言事項などで、なぜこのような分け方になった
かという事情や「遺留分」を侵害された相続人へ気遣いの気持ちなどを表現
しておくという方法があります。
そして、できれば生前に、様々な事情があってどうしても偏った配分になら
ざるを得ないことなどをしっかり家族で話し合っておくことが大事です。
当オフィスでは、遺言書の作成や相続に関する家族間の話し合い「家族会議」
の開催についてのサポートを総合的な相続コンサルティングの一環として行っ
ております。
相続のことで気になり始めたら、どんな些細なことでも、まずはご相談ください。
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