Blog ブログ・お役立ち情報

Blog

HOME//ブログ・お役立ち情報//「情報過多の時代」と「総合診療医」と「独立系FP」

ブログ

「情報過多の時代」と「総合診療医」と「独立系FP」

皆さま こんにちは!

50代からの「お金」と「仕事」の総合戦略プランナー

ウェルビーイング・コンサルティング・オフィスの寺田尚平です。

ここ2ヶ月ほど前から、私の「Instagram」のアカウントの偽アカウントが作成されて、その偽アカウントをフォローした方々に、投資グループなどへの参加を勧誘するメッセージが届いており、ご迷惑をおかけしております。

私から、決してこのようなメッセージを送ることはありませんので、送られてきたアカウントに対しては、お手数をおかけしますが、「なりすまし」であることの通報とブロックをお願いいたします。

全国各地の知り合いのFPも、同様の被害を被っており、本当に困ったものです。

「Instagram」「YouTube」などでは、日々さまざまなジャンルのコンテンツが投稿されており、経済・市場環境、資産運用、投資、年金、税金など、多種多様な「お金」に関する情報が流れています。

また、「Google」「Yahoo」などの検索エンジン、「ChatGPT」「Gemini」などのAIを使えば、知りたい情報が、瞬時に集めることができます。

とても便利な時代にはなりましたが、「流れてくる情報が正確なものなのか?」「どの情報を活用して行動したらいいのか?」「自分にとって必要な情報は何か?」など、情報を見極め、選択する必要性が高まっています。

このような情報過多の時代であるこそ、必要になる役割についてブログにしましたので、ご一読いただけたら嬉しいです。

◆書籍『50代からの「お金」と「仕事」~ウェルビーイングな人生を~』を出版しました!

詳しくはこちらから

https://wellbeing-wakayama.com/2025/06/30/8749/

◆【寺田尚平のプロフィール】はこちらから

https://wellbeing-wakayama.com/staff/

◆【寺田尚平のメールマガジン】の登録は、こちらから

https://wellbeing-wakayama.com/2021/02/08/mail-magazin/

ブログアップの連絡、セミナー情報などを配信させていただきます。

目次

「SNS」「YouTube」で得られる情報

「SNS」や「YouTube」などでは、経済・市場環境、資産運用、投資、年金、税金など、多種多様な「お金」に関する情報が流れており、手軽に必要な情報が入手できる時代になりました。

しかし、「SNS」や「YouTube」などから発信される情報には、「一面的な見方」から発信された情報であったり、「一般論」であったり、「お得な情報」など、数字のうえでの損得を強調した情報であることが多い傾向にあります。

例えば、
「資産を円で持つのは危険、外貨で持つべき」
「投資は、日本とは違い経済成長が期待できる米国株式一択」
「NISAでは、高配当株式」
「将来の年金制度の改悪に備えて、年金受給は65歳を待たずに、繰上げ受給して、
 受け取った年金を資産運用で殖やすのがお得」      
                                などなど

これらの情報や考え方は、間違いではない部分もありますが、一面的な見方を強調し過ぎているように感じます。

「SNS」や「YouTube」などの場合、多くの人に見てもらうには、「単純でわかりやすい」情報であることが重要です。

メリットと併せて、異なる側面から見たデメリットも説明していては、「複雑でわかりにくい」情報になり、見てもらいにくくなります。

「副作用」について記載されていない、薬の説明書のようなものです。

そして、あくまでも「一般論」の情報であり、特定の誰かにとって上手くいったという情報に過ぎません。

だから、これらの情報だけを鵜呑みにして、決断して、行動を起こすのは危険です。

場合によっては、「投資詐欺」などの被害に合うことも考えられます。

特に、「お金」に関することは、「一般論」ではなく、「自分と家族にとって何が適しているの?」という観点から、考えることが重要です。

「A I」ができること、できないこと

最近では、「ChatGPT」などの「A I」に、「お金」に関する疑問を相談する人もおられると思います。

「A I」は、質問の入力をきちんと行えば、即座に知りたい情報と選択肢を提示してくれる、とても便利なツールです。

「A I」は質問で聞かれたことに対しては、即座に明確に答えてくれます。

当然ながら、聞かれていないことに対しては答えることはできません。

ある人が「問題と思っていること」「知りたいと思っている情報」が、その人にとって大事なことでないこともあります。

「問題と思っていること」以上に優先すべきことがある場合もあります。

「A I」は、与えられた情報に基づいて、スピーディーに答えを出すことに優れています。

しかし、「そもそも何が問題なのか?」といった本質的な問題を気づかせたり、その人の感情や価値観にマッチした選択肢を提示することはできません。

ひとり一人にとって、単なる損得よりも、優先すべき感情や価値観はあります。

対話を通じてそれらをキャッチして、寄り添った、オーダーメイドの総合的な提案を行えるのは、人でないとできないことなのです。

高齢化社会を担う「総合診療医」とは?

TBSテレビの日曜夜9時からの「日曜劇場」で、7月から松本潤さん主演で「19番目のカルテ」という番組が放映されています。

松本潤さんは、総合病院に新設された総合診療科に所属する「総合診療医」を演じています。

日本の医療は、「脳外科」「眼科」「整形外科」といったように臓器ごとに18の専門分野に分けられ、それぞれの分野の専門医が診察・治療を行っています。

そんな18の分野に新たに19番目の新領域として加わったのが、総合診療医です。

総合診療医は、臓器や患者の性別、年齢にかかわらず、患者の訴えを一つひとつ丁寧にすくい取り、その人の暮らしや家庭環境、心の状態までも含めてその名の通り“総合的に”診察を行い、必要に応じて「専門医」との連携を図り、治療を行います。

高齢化が進展することにより、総合診療医の必要性が高まっています。

高齢者は複数の疾患を抱えることが多く、臓器別・疾患別に診る従来の医療体制では対応が難しくなってきています。総合診療医は、患者を包括的に診ることで、より適切な医療を提供し、地域医療を支える重要な役割が期待されています。

私は、独立系ファイナンシャル・プランナー(独立系FP)の仕事は、「お金の面」での「総合診療医」であると考えています。

「お金の面」と言っても、金融商品、保険、不動産、税金、年金、ローン、相続などの様々な分野があります。

独立系FPは、これらの分野に関する幅広い知識に基づて、お客様の状況を「包括的」捉えて「総合的」なプランの提案を行います。

そして、必要に応じて、税理士、公認会計士、社会保険労務士、弁護士、司法書士、金融・保険の専門家などの協力を得ながら、プランの実行をサポートします。

これらの士業や専門家は、医療の分野では「専門医」の立場になります。

情報過多の時代に、独立系FPができること

弊オフィスに、はじめてご相談に来られるお客様の多くは、金融商品、NISAやiDeCo、年金や退職金の受け取り方、住宅ローン、老後の生活設計など、個別テーマに関するものです。

しかし、お話をお伺いしたり、お客様の情報を分析するなかで、相談のきっかけになった個別テーマ以外分野で問題点が見つかったり、より本質的な問題を提起させていただき、解決策のアドバイスや提案をさせていただくことが多くあります。

これらの個別テーマに関する一般的な解決策は、書籍やネット記事検索、AIに質問すれば、簡単に調べることができるかもしれません。

しかし、書籍やネット記事検索、AIが提示する解決策のデメリットや副作用などの情報が得られなかったりすることもあります。

弊オフィスにはじめて相談に来られるお客様のなかには、様々な情報を集められた後で、「果たして何が正しいの?」という疑問を持たれた方もおられます。

高齢化の進展により、複数の疾患を抱える高齢者が増加していることが、医療の分野において「専門医」だけでなく、「総合診療医」が必要とされる背景です。

同様に「お金」に関することにおいても、数年前と比較して、選択肢が格段に拡がっています。

「お金の面」を左右する、生き方・暮らし方・働き方についても、多様化しています。

「結婚するのか、しないのか?」「子どもはどうするのか?」「どんな仕事をするのか?」「何歳まで働くのか?」「どこに住むのか?」「どんな暮らしをするのか?」「何を実現したいのか?」・・・人それぞれです。

昭和の時代は、結婚して、子どもを育てて、奥様は専業主婦で、定年までひとつの会社に勤め、定年後は年金で悠々自適、退職金は定期預金で・・・といったスタイルが常識的なライフスタイルでした。

今は、独身で生きる、共働き、転職が当たり前、定年後も働く、年金の受け取る時期は人それぞれ、NISAなどを活用して資産運用を行う・・・など、格段に選択肢が拡がっています。

選択肢が拡がることで、複数の選択肢を比較したうえで、選択する必要迫られたり、ひとつのテーマだけでなく、複数のテーマに及ぶ、複合的な問題に直面することがあります。

つまり、「お金の面」においても、「専門医」だけでは対応できない状況になりつつあり、「総合診療医」が必要とされているのではないでしょうか?

このようななかで、一番知りたいのは「一般論」ではない「個別論」、「自分や家族にとって何が最適なの?」ということなのです。

書籍やネット記事検索、AIへの相談だけでは、この問いに対する満足した回答は得ることは難しいのではないでしょうか?

また、お客様が認識している疑問・問題だけでなく、お客様が認識していない、もっと重要で本質的な問題を提起したりすることもできません。

このような、「お金の面」において、包括的に個々の状況を捉えて、認識していない問題を提起したり、総合的なアドバイスや提案を行えるのは、独立系FP以外に存在しないと思います。

まとめ

先日、日本FP協会が発刊している、会員向けの情報誌「FPジャーナル(2020年5月)」で、医師からFPへのキャリアチェンジを果たしたキャリロン・マクナハン氏(米国)のインタビューコラムを見つけました。

コラムのなかでは「医師とFPの根幹は基本的に同じです。人のこれまでを知り、客観的なデータを見て問題を診断し、それらの対して解決策を提示する といった具合です。私たちは顧客の身体ではなく、家計に対して同じことをしているのです。」と記載されています。

「総合診療医」の特徴を表すキーワードとして、「病気ではなく人を診る」「まるごと診る」「ずっと診る」があります。

私も、「お金の総合診療医」として、次の3つのことを意識したサポートを行うために精進していきたいと考えています。

・お客様の背景を知り、感情や価値観に寄り添う(人を診る)
・状況を包括的に捉えて、総合的なアドバイスや提案を行う(まるごと診る)
・提案だけではなく、プランの実行などに伴走するサポートを行う(ずっと診る)

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

SHARE
シェアする

ブログ一覧