誰が「お金」の「総合医」か?
皆さま、こんにちは!
Over50s専門 FP
ウェルビーイング・コンサルティング・オフィスの寺田尚平です。
2024年も残すところあと1ケ月となり、12月に入るとなんとなく忙しないムードが高まってきます。
おかげ様で、弊オフィスは12月21日で開業6年を迎えることになります。
6年間も続けて来れたのは、お客様や関係者の皆様など、多くの方々の支えがあったからです。
そして、何よりも家族の支えがあったからです。心より感謝したいと思います。
今後も、地域の方々の「ファイナンシャル・ウェルビーイング」の実現のために、より一層の努力をしてまいりますので、引き続き、ご支援、ご指導よろしくお願いいたします。
さて、『誰が「お金」の「総合医」か?』というタイトルでブログを書きましたので、お読みいただけたら幸いです。
目次
- ○ 「専門医」と「総合医」とは?
- ○ ファイナンシャル・プランナー(FP)は、「お金」の分野の「総合医」?
- ○ 「お金」の「総合医」は、金融商品などを販売していない「独立系FP」!
- ○ 「部分最適」と「全体最適」とは?
- ○ 「お金」の「総合医」を政府機関が認定・公表!
- ○ まとめ
「専門医」と「総合医」とは?
「総合医」という言葉は、ご存知でしょうか?
日本の医療制度では、医師は内科や外科という領域ごとに分類されていて、さらに消化器内科や循環器内科などに細分化されており、「臓器」を診る「専門医」を中心とした制度となっています。
「専門医」は、特定の領域で深い知識を持っていますが、専門外の領域には対応が難しいことがあります。
しかしながら、高齢化が進む日本では複数の病気を抱える患者が多くなるなかで、「専門医」だけでは対応が難しいことがあります。その結果として、様々な診療科を「たらい回し」にされたり、重大な病気の発見が遅れたりということにつながるケースもあります。
このようななかで、近年は、患者の心身全体を診る「総合医」への注目が集まっています。
「総合医」は、患者の全身を総合的に診察して、必要に応じて「専門医」引き継ぎます。
厚生労働省などは、「総合医」を増やす方針を掲げており、少しずつではありますが増加を続けています。
米国では5万人以上の「総合医」がいて、医療の効率化などに貢献しています。
ファイナンシャル・プランナー(FP)は、「お金」の分野の「総合医」?
医療の分野では「総合医」に注目が集まっているのですが、では「お金」の分野ではどうでしょうか?
「お金」の分野と言っても、多岐に渡っています。
「貯蓄」「資産運用」「保険」「年金・社会保険」「税金」「住宅ローン」「ローン」「不動産」「相続」・・・などなど、それぞれの領域で専門家と言われる方々が存在します。
例えば、
「貯蓄」「資産運用」は、証券会社や銀行の営業担当者。
「保険」は、保険会社や保険代理店の営業マン。
「年金・社会保険」は、社会保険労務士。
「税金」は、税理士。
「住宅ローン」「ローン」は、銀行の営業担当者。
「不動産」は、不動産会社の営業マン。
「相続」は、弁護士や司法書士。
というように、それぞれの領域の専門家は、特定の領域で深い知識や経験を持っています。
しかしながら、専門外の領域について対応が難しい面があります。
このようななかで、医療の分野における「総合医」にあたる役割を「お金」の分野で担うファイナンシャル・プランナー(FP)の役割が必要になってきます。
FP資格の取得にあたっては、上記の分野の知識を習得する必要があります。
さらにFP資格の最上位の資格であり、国際ライセンスである「CFP®」資格を取得するには、上記の領域の深い知識が求められます。
様々な領域についての知識を習得していて、包括的、総合的な視点で提案する役割を担うのがFPです。
「お金」の「総合医」は、金融商品などを販売していない「独立系FP」!
ファイナンシャル・プランナー(FP)と言っても、様々な立場で、お客様にアドバイスや提案を行っています。
一番多いのは「企業系FP」と言われる方々です。
銀行、証券会社、保険会社などに所属して、自社の金融商品や保険を販売することを目的として、FP資格で取得した知識を活用しています。
お客様からは、相談料などをいただくことなく、自社の金融商品や保険を販売することのオマケとして、アドバイスや提案を行っています。
企業系FPの場合は、お客様にとっては、金融商品や保険を選んだり、手続をする手間が省けることが多いというメリットがある反面、自社の金融商品や保険に誘導することを目的としたアドバイスや提案を受けることになります。
もうひとつの立場のFPは「独立系FP」です。
「独立系FP」は、金融機関などには所属せずに独立した立場で、お客様にアドバイスや提案を行っています。
金融機関などには所属していない「独立系FP」のなかにも、お客様に金融商品や保険などを販売することで手数料を得ているFPもおられ「企業系FP」と同じメリットとデメリットがあります。
まだまだ数は少ないのですが、金融商品や保険などを販売しない立場の「独立系FP」も存在しています。
金融商品や保険などを販売する立場にあれば、「薬」の販売をしている医者と同じ立場になります。
医者が「薬」の販売をしている場合、どうしても過剰に「薬」を処方したり、患者の適切な「薬」を処方しているとは言えないことも起こります。
今では「薬」は、クリニックなどで購入するのではなく、調剤薬局で購入する体制が当たり前になっています。
「お金」の分野における「薬」は、金融商品や保険、様々な制度の活用することです。また「診察」はアドバイスや提案になります。
本質的に「お金」の分野の「総合医」の役割を担い、一人ひとりのお客様に適したアドバイスや提案ができるのは、金融商品や保険などを販売しない立場の「独立系FP」です。
「部分最適」と「全体最適」とは?
先日、弊オフィスの「ライフプラン会員サービス」をご利用いただいているお客様からご相談をいただきました。
数十年前から、お付き合いのある保険会社の営業マンから、長年継続している円建て終身保険を解約して、外貨建て終身保険に切り替えないかという提案があったが、どう考えたらいいかとのご相談です。
営業マンの提案は、現在米国の金利が高止まりしていることから、今、円建て終身保険を外貨建て終身保険に切り替えることは有利であるとのことです。
確かに外貨建て終身保険の高金利を享受できるメリットはあるかもしれませんが、様々なデメリットも存在します。
でも本質的に大事なことは、お客様の資産全体から考えて、元本が確保されている円建て終身保険(安全資産)から、為替リスクなどがある外貨建て終身保険(リスク資産)に資金を移してもいいかという観点です。
お客様の資産全体の安全資産とリスク資産のバランスや今後のライフイベントなど必要になる資金など考えるなかで、今、リスク資産の比率を増やすことは問題ないかという視点です。
この点をお客様に説明すると、ご理解いただいたようで、保険会社の営業マンからの提案は断ることになりました。
金融機関や保険会社などの営業マンは、自社で購入しているお客様の資産状況は把握していますが、お客様の他社を含めたお客様の資産全体の状況、今後の収入や支出の状況を把握していることはほとんどありません。
お客様も、金融商品や保険などを販売する立場の人に、他社の資産状況を開示することは抵抗があると思います。
金融機関などの営業マンは、部分的には有利な提案(部分最適)ができますが、全体を俯瞰してみる全体的な視点での提案(全体最適)は難しくなります。
これは、金融機関などの営業マンに限らず、税理士などの専門家にも同じことが言えます。
例えば、税理士は税金の計算や節税方法などに偏ったアドバイスや提案になる傾向があり、部分最適に陥りがちです。
「資産・負債状況一覧表」「ライフプラン表(キャッシュフロー表)」などの作成を業務を行っている独立系FPは、お客様の全体のファイナンシャルプランをお客様と共有することができ、部分的な最適化ではなく、全体の最適化を行うことがきます。
「お金」の「総合医」を政府機関が認定・公表!
2024年4月、政府は「金融経済教育推進機構(J-FLEC)」を設立して、8月から本格的に稼働しています。
J-FLECは「私たちは、一人ひとりが描くファイナンシャル・ウェルビーイング(※1)を実現し、自立的で持続可能な生活を送ることができる社会づくりに貢献します」をミッションとして掲げている中立・公正な金融庁所管の認可法人です。
(※1)自らの経済状況を管理し、必要な選択をすることによって、現在および将来にわたって、経済的な観点から一人ひとりが多様な幸せを実現し、安心感が得られている状態。
J-FLECは、金融機関などに所属していないCFPなどの資格保有者で、相談業務などに一定の業務経験がある人を対象に、J-FLECが「一定の中立性を有する顧客の立場に立ったアドバイザー」として認定・公表しています。
いわば、「お金」の「総合医」の必要性を政府機関が認識して、認定・公表していることになります。
J-FLECは、全国の企業や団体に金融経済に関する出張授業(無料)を展開する講師派遣事業などの他に、11月26日から「J-FLECはじめてマネープラン(略称:はじマネ)割引クーポン配布事業」を開始しています。
「はじマネ割引クーポン配布」は、J-FLEC認定アドバイザーによる有料の個別相談をはじめて利用する方を対象に、相談料が割引になる制度です。
弊オフィスは、現時点で和歌山県で唯一の「はじマネ割引クーポン」の対応のFP事務所です。
まとめ
最後までお読みいただきましてありがとうございます。
「健康」と「お金」は、私たちの暮らしを支え、人生を楽しむための「基盤」です。
「健康」を担う医療の分野では「専門医」だけなく「総合医」の必要性が提唱されています。
「お金」の分野では「金融機関など」や「士業などの専門家」だけでなく、金融商品などを販売しない立場で、包括的・総合的なアドバイスや提案ができるアドバイザーの必要性が高まっていて、政府機関であるJ-FLECにより認定・公表されています。
J-FLEC認定アドバイザーによる「はじマネ割引クーポン」を活用して、「ファイナンシャル・ウェルビーイング」を実現するきっかけにされてはいかがでしょうか?