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話題の「新NISA」!50~60代の退職前後世代はどう活用する?

Merry Xmas!

Over50s専門 FP  

ウェルビーイング・コンサルティング・オフィスの寺田尚平です。

私事ながら、60歳の誕生日を迎えました。 ひとつの区切りの60歳を迎えると、毎年の誕生日とは違い、やはり感慨深いものがあります。

まずは、ご先祖様、両親、家族、恩師、先輩、友人など、様々な方々に支えられて、60年間(21,915日)無事に暮らせたことに感謝したいと思います。

12月16日、「2023年度税制改正大綱」が決定され、2024年からの「新NISA」の概要が明らかになりました。

前回のブログのなかで、お伝えした「資産所得倍増プラン」の第一の柱である「NISAの抜本的拡充や恒久化」が具体化したものです。

今回のブログでは、「新NISA」の概要と50~60代の退職前後世代の活用事例についてお伝えします。

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目次

まずは、現行の「NISA」のおさらい

まずは、現行の「NISA」について、おさらいしておきたいと思います。

通常、預貯金の利子、株式や投資信託の配当・分配金、売却益などの利益に対して、20.315%の税金がかかりますが、少額投資非課税制度(NISA)を活用することで、株式・投資信託に投資することで得た利益に対する税金が非課税になります。

約20%の税金がゼロになるといっても、具体的にどんなメリットがあるのか?わかりにくいという方もおられると思いますので、少し説明したいと思います。

「すずめの涙」の預貯金の利子から約20%の税金を引かれても、大した金額ではありません。

例えば、多くの銀行などでは、定期預金に1年間、100万円預け入れた場合、利子は20円。

約20%の税金は約4円になります。4円がいらなくなると言われても、全然魅力を感じませんよね。

では、株式や投資信託の場合はどうでしょうか?

株式や投資信託の値上がりによる利益は、確定しているものではないのですが上限はありませんよね。

例えば、100万円で投資した株式や投資信託が、2倍に値上がりした場合、100万円の利益に対して、約20%の税金が引かれたら、手取りは約80万円になります。約20万円の税金はかなり痛いですよね。

NISAを活用すれば、この約20万円の税金がゼロになり、100万円の利益の全額を受取ることができて魅力的ですよね。(金融機関に支払う手数料は考慮しない場合)

現在のNISA制度は、「一般NISA」「つみたてNISA」の2つのコースがあります。(「ジュニアNISA」もありますが、ここでは説明を割愛します。)

2つのコースを同じ年に利用することはできず、どちらかのコースを選択することになります。

「つみたてNISA」は「積立投資」限定のNISA。

「一般NISA」は「一括投資」でも「積立投資」でも、どちらも可能なNISAです。

NISAで利用できる商品は「つみたてNISA」は「金融庁が指定した投資信託」に限定。

「一般NISA」は、「株式」「投資信託」「ETF」「REIT」が対象になります。

年間投資上限額は「つみたてNISA」は40万円、「一般NISA」は120万円です。

配当・分配金、売却益などの利益に対する非課税の恩恵を受けることができる期間は「つみたてNISA」は20年間「一般NISA」は5年間となっています。

皆様、ここまで読んでいただいて、どうお感じになられたでしょうか?

「NISAを活用して、株式や投資信託に投資するのは良さそうだけど、なんか制約がたくさんあって、ややこしくて使い勝手が悪いなあ~」と言う声が聞こえてきそうです。

そこで「新NISA」は、現行のNISAを使い勝手のいいものにバージョンアップしたものです。

「新NISA」の3つのポイント

「新NISA」へのバージョンアップには、3つのポイントがあります。

「つみたてと一般の併用」「無期限化と恒久化」「年間投資限度額」です。

「新NISA」は、基本的には、現行の「つみたてNISA」と「一般NISA」の枠組みを引き継ぎますが、2つ合わせて「新NISA」として、2つの投資枠(「つみたて投資枠」と「成長投資枠」)があるというイメージです。(呼称は変更になる可能性があります)

「つみたて投資枠」は、現行の「つみたてNISA」のしくみを引き続ぎます。

「成長投資枠」は、現行の「一般NISA」のしくみを引き続ぎますが、現行と比べて、毎月分配型の投資信託などの長期の資産形成に向いていない商品は除外されます。

「新NISA」では、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は、両方使えるようになりますので、今までの「きゅうくつさ」は解消されます。

非課税の恩恵を受けることができる期間は「つみたてNISA」で20年間、「一般NISA」で5年間に限定されますが、「新NISA」ではいつ売却しても非課税の恩恵が受けられます。(非課税期間の無期限化)

現行の「つみたてNISA」の20年間は、まあまあ長いのでいいとしても、「一般NISA」の5年間では、長期投資を行うには少し物足りない期間です。

非課税期間が無期限化されることで、投資を始めてから、30年後でも40年後でも、非課税の恩恵を受けることができるようになります。

現行のNISAは制度自体に期限がありましたが、「新NISA」は、恒久的な制度となりますので、2024年からでも、10年後でも20年後でも「新NISA」を使って投資することができるようになります。

年間投資上限額については、「つみたて投資枠」で、現行の3倍の120万円、「成長投資枠」で、現行(「一般NISA」)の2倍の240万円に拡大されます。

「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用ができるので年間で最大360万円まで、非課税を適用できる投資を行うことができることになります。

年間最大360円ですが、最大の投資枠(総枠)が決まっていて、年間最大投資枠の5年分である1,800万円が、投資できる金額の上限になります。

多くの方々にとっては、十分なサイズの非課税枠だと思います。

また、現行のNISAを使っての新たな投資は2023年で終了しますが、現行のNISAで投資した分については、定められた期間(つみたてNISA:20年間、一般NISA:5年間)は非課税の恩恵を受けることができて、さらに2024年からは「新NISA」を使っての新たな投資ができることになります。

50~60代の退職前後世代の「新NISA」活用事例

「新NISA」を上手に活用していくためには、どのような方法があるのか考えてみたいと思います。

50~60代の退職前後世代の方々にとっては、退職金などのまとまった資金を、非課税の恩恵受けるために、このような方法が考えられます。

例えば、退職金などのまとまった資金のうち、500万円程度を投資に回す場合では、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を併用すれば、年間360万円まで投資できますので、毎月「つみたて投資枠」で10万円、「成長投資枠」で20万円の合計30万円を積立方式で、投資信託などを購入していきます。

1年目は30万円×12ヶ月で360万円投資できます。

2年目は、1年目と同様に月30万円ずつ投資したら、5ヶ月で投資額が150万円になって、トータル510万円を非課税枠を使って投資することになります。

一度に500万円の投資を行うのではなく、1年5ヶ月をかけて、積立で投資していく方法です。

一括投資ではなく、購入時期を分散する積立投資は、タイミングを気にせず投資できるメリットがあり、はじめて投資される方にとっても有効な方法です。

幣オフィスでは、まとまった資金であっても、一括での投資はおすすめせずに、原則、積立・時間分散での投資をおすすめしています。(※つみたて投資の有効性については、別の機会にお伝えしたいと思います。)

60歳前後で、約500万円投資した資金を20年後、30年後に、もし2倍の1,000万円になっていたら、税金ゼロで引き出して、ちょっとグレードの高い老人ホームなどの施設に入る費用、クルーズ船での船旅などの費用に充てることも可能になるかもしれません。

20年間の複利運用では、年率3.6%程度で約2倍になり、30年間の複利運用では、年率2.4%程度で約2倍になります。

私達の国民年金や厚生年金の資金を、株式や投資信託などで運用している国の機関である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が公表しているデータによると、2001年4月~2022年9月までの、約21年間の収益率は年率3.47%となっています。

あくまでも過去のデータではありますが、株式や投資信託を活用した長期分散投資を行うことで、年3~4%前後の利回りを確保できることが証明されています。

非課税枠が大きくなり、非課税期間が無期限になったことで、将来の必要な資金に備えて資金を運用していくにあたり、税金の控除を考える必要がなくなります。

この事例によると、非課税の適用がない場合は、20年間で2倍にするためには、単純計算で年4.5%程度の利回りが必要になり、よりリスクの高い、確実性の劣る運用を行う必要があります。

「新NISA」を活用することで、非課税の適用がない場合と比べて、より確実性の高い運用で、将来の希望を叶える、ライフプランを実現することが可能になります。

幣オフィスにご相談に来られるお客様のなかには「50~60代から、NISAやイデコを始めるのは遅いから、やめておいた方がいい言われた」という方がおられます。

しかし、遅いか遅くないかは、それぞれのライフプランやキャリアプランによるものだし、一概には言えないと思います。

人生100年時代と言われるように、多くの人が長生きする時代になっているなかで、60歳で年金をもらいながら「悠々自適」という時代は過ぎ去り、60代で、まだまだ現役バリバリの気持ちを持って働いて収入を得て、長い人生に備えている人も多くいます。

だから、一概の遅いとは絶対に言えないと思います。

もし、あなたのライフプランやキャリアプランをヒアリングせずに「50~60代から、NISAやイデコを始めるのは遅い」とアドバイスする専門家がいたら、その人は、アドバイザーではなく、非課税などの税制優遇のあるNISAやイデコの優位性を覆い隠して、他の商品(保険商品など)に誘導したい販売員だと思います。

「新NISA」の活用には、顧客側に立つアドバイザーが必要!

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

「新NISA」は、今までのNISAをバージョンアップして、より使い勝手のいいものになっています。

FPや金融関係者などの専門家の間でも、若干の検討課題はあるものの、期待以上に使いやすい制度になったと評価する人が多いと思います。

とは言っても、株式や投資信託の経験のない人が、投資を行うハードルはかなり高いと思います。

そこで、アドバイスやサポートを行う専門家が必要になります。

しかも、その専門家は自社の取り扱う商品に誘導するアドバイザー、すなわち金融機関側に立つのではなく、顧客側に立ってアドバイスを提供する、独立したアドバイザーがいないと制度の正しい活用が進まず、結果的に国民の資産所得を増やして、将来の希望を叶えることができなくあります。

そこで、政府は金融機関に属さずに金融商品や保険を販売しない、顧客本位の独立系アドバイザーを拡充するべく「資産所得倍増プラン」の「第3の柱:消費者に対して中立的で信頼できるアドバイスを提供を促すための仕組みの創設」のなかで「中立的なアドバイザー認定制度」の検討を進めています。

これからの時代は、全員が同じような人生を歩む時代ではなく、ひとりひとり違う生き方をしていく時代になります。

60歳(または65歳)で定年退職、その後年金で「悠々自適」というお決まりのパターンは崩壊しています。

皆さんも、一般論ではなく顧客に寄り添い、自分と家族にとって最適なアドバイスを提供してくれるアドバイザーを見つけていただければと思います。

幣オフィスは「ひとりひとりの違うところに寄り添い、出来たらいいなを支える」をミッションとして、顧客のライフプランの実現をサポートして参ります。

◆【寺田尚平のプロフィール】はこちらから

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