遺言を超える財産の引継ぎができる「家族信託」~親が認知症になってからでは遅い!今から考える親の老後のお金 その⑧~
老後のお金と相続の最初の相談窓口
ウェルビーイング・コンサルティング・オフィス 円満相続の道先案内人 寺田尚平です。
家族のなかで、ある程度契約の内容を自由に決めて、財産の管理を行う「家族信託」は、様々なケースに活用することができます。
そのなかでも、もっとも活用されることが多いケースが、成年後見制度に代わる生前の財産管理です。
生前の財産管理に加えて、相続発生後の財産の引き継ぎ先を指定しておくこともできます。
つまり、「遺言」の代わりとして活用することもできます。
前回の「家族信託」のしくみで、ご説明した登場人物のなかの「受益者」について、次の「受益者」を指定しておくことで、「遺言」と同じ役割を果たすことになります。
例えば、父親が持つ自宅と預貯金を「信託財産」として、父親は財産の管理を託す「委託者」であり、かつ当初は財産からの利益を得る「第一受益者」、
母親は、父親が死亡した後、財産からの利益を得る「第ニ受益者」、長男は財産の管理を託された「受託者」という信託契約を結ぶことができます。
父親が死亡した後は、自宅や預貯金から利益を得る権利は、母親が「第ニ受益者」として持つことになります。
長男は、父親が元気な時から、認知症などで判断能力が低下した後にかけて父親のために財産の管理を行い、父親が死亡した後は、母親のために、財産管理を行うことになります。
そして、父親・母親の両方が死亡した時点で、信託契約を終了して、長男が通常の所有権として、財産を受け取るという設定を行うことができます。
「遺言」では、次の相続の引き継ぎ先までしか決めることができないのですが、「家族信託」を活用することで、このように、次の相続以降の引き継ぎ先まで、決めておくことができます。
具体的な例で説明しますと、既に母親が亡くなっている父親(81歳)と長男(56歳)と長男の妻(44歳)が、先祖代々から引き継いできた父親名義の自宅に住んでいます。
長男夫婦には子どもがいなくて、近所に住む次男は、妻と子ども3人で住んでいます。
父親は、自宅は、長男に相続させて、長男が亡くなった後は、やはり長年面倒を看てくれていた長男の妻に住んでもらいたいと考えています。
しかし、先祖代々の自宅は、長男の妻が亡くなった後は、遺言書がない場合、長男の妻のきょうだいや甥・姪が相続する権利を持つことになります。
先祖代々の土地が、長男の妻の家系に移ってしまうことになります。
今時、先祖代々の土地なんて、古臭いという考え方もあるかと思いますが、これでいいのと思われる方もいらっしゃると思います。
次の相続より先の相続での財産の行き先を指定しておくことができる「家族信託」を活用すれば、父親→長男→長男の妻→次男の子ども(孫)へと自宅を引き継いでいくように、父親が決めておくこともできます。
「家族信託」は、家族の状況やご希望に応じて、信託の目的に反しない限り、契約内容を柔軟に決めることができるので、様々なケースで活用できるしくみです。
次回以降は、いくつかの「家族信託」の様々な活用法についてお伝えしていきたいと思います。
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